観音様を無事ご納入してきました。
個人様宅へのご納入でしたが、ご依頼をお受けした際に、施主様が常々仰っておられたのが
家族の為に手をあわせたい
そして、子供たちへと観音様を遺してあげたい
...
という思いでした。
打ち合わせから、荒彫り、小作り、仕上げと作業が進む間にも幾度となく、お会いしましたが、その度に息子さんへの思いを語られました。
そして一昨日、観音様が仕上がりまして、ご納入にあがり、いざご対面いただくと、施主様が声をあげて驚かれ、涙を流しながら手をあわせられました。
どうしたものか、おたずねしますと
息子にとても似ている
そう仰るんです。
すると奥から息子さんが出てきました。
驚きました。
確かによく似てるんです。
この時が息子さんと初対面の私にはわざと似せて彫るような事は出来ません。
施主様の強い思いや願いが形になって現れたのかもしれません。
仏様の前で手を合わせる方々の思いや願いをかたちにしたい。それが仕事をする上で私の目標であり、願いです。
目の前で終始、泣き笑いをされながら喜んでおられる施主様と、照れ笑いしている息子さん。
仏師として、一職人としてこんなに幸せな事はないと思います。
昨日、今日と少し遅めの夏休みをとらせていただきましたが、この仕事をさせていただける事に感謝と喜びを感じながら、明日からまた彫刻刀を手に頑張ります
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坂上 (水曜日, 11 9月 2013 23:12)
素晴らしいお仕事してますね