毘沙門天と百足

風薫る午後、毘沙門天尊像を彫ろうと心に決めて楠の大きな塊にチェーンソーを入れる
楠の芳しい香りとともに木屑が辺り一面に散っていく
足下にはいつのまにか楠の絨毯が出来ていた
その上を何処からやってきたのか一匹の大きな百足が気持ち良さげに這っている

百足は毘沙門天のお使いと言われている
この不思議なご縁に胸が弾み刀が走る


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